なぜがんになるのでしょうか?

2010年の厚生労働省調べによりますと、悪性新生物(がん)が原因の死亡者数は353,499人に達しています。

これは全死亡者数の割合の29.5%で、全人口の3人に1人の計算になります。今後は2人に1人になるのではないかとも言われています。

 

人はなぜ“がん”になる?


人間の体は60兆個の細胞から構成されており、その一つ一つに酵素が存在しています。

「がん」は正常な細胞が突然変異し、急激に増殖を繰り返してコントロールが出来なくなる病気をいいます。

 

“細胞のがん化”は、遺伝子に何らかの異常が生じて起こることから「細胞の病気」と言われています。

ですが、親ががんの経験者だからといって、その子供もがんを発症するという事にはなりません。

 

ただし、稀なものとして、小児期にできる「網膜芽細胞腫」や小児の肝臓にできる「ウイルムス腫瘍」の中のごく一部が“遺伝するがん”として知られています。また、がんそのものが遺伝するわけではありませんが、いわゆる「がんができやすい体質」は遺伝すると言われています。

がんが発症するきっかけ、がんの遺伝子を目覚めさせてしまうきっかけは何なんか。それを知ることは必要です。

 

遺伝子とは?


各細胞の中には、体を構成する遺伝子の「DNA」というものが含まれています。例えるならその人の情報が全て入っているファイルのようなものです。

この遺伝子は、体を構成する重要なタンパク質をつくり、いつどのようなタンパク質をどの程度生産するかのスケジュールまでも含まれています。

 

人間の体は、遺伝子に書き込まれているプログラムによって決められており、分裂と増殖を絶え間なく繰り返し「健康」が維持されています。

 

遺伝子のバランスが大切


遺伝子内には「がん遺伝子」と「がん抑制遺伝子(抑え止める)」と呼ばれるものが存在します。

がんになりうる細胞は、このような遺伝子が損傷する事によって発生し急激に増殖します。このがん細胞は増殖をより早める「アクセル」の役割をします。

逆に「がん抑制遺伝子」はブレーキの働きをします。細胞の分裂具合を常に監視し、故障個所があればそれを修復する整備士の役割を兼任しています。

 

そもそもがん細胞は、健康な体にも作られるものですが、がん抑制遺伝子や免疫力などの働きによってこれらが抑えられ、また消滅することによって発症せずに済んでいます。

 

■がん遺伝子
がん細胞の増殖を促進する遺伝子で車のアクセルにあたる。
■がん抑制遺伝子
がんの細胞の増殖を抑える遺伝子。車のブレーキにあたる。
■DNA修復酵素遺伝子
がん遺伝子やがん抑制遺伝子を監視し、故障を防いだり修復する整備士の役割にあたります。

この3つの遺伝子がバランス良く正常に働いていれば、規則正しい細胞の増殖が保たれます。

バランスを崩されると、がん細胞はたちまち増殖スピードを爆発的に上げはじめます。また、DNA修復酵素遺伝子が、本来の働きをしていないと、よりがん化しやすくなります。