胃がんは早期発見ができるがんです。

胃がんとは?

 胃がんは、40歳代から増えはじめ、60歳代が最も多く、男女比では男性に多く見られます。

胃がんは診察技術の進歩により半数以上が早期のうちに発見されるようになったため、早期の胃がんであれば適切な治療をすることで90%程度は完治するようです。

ただ、胃がんの中には、まれに診察、治療の難しいスキルス胃がん(硬性がん)と呼ばれる悪性度の高いものがあり、胃の表面にはあまり出ずに胃壁の中を広がって大きくなり、進行度が早く腹膜への転移を起こしやすいので、比較的若年層に多くみられるようです。

 

胃がんの原因

胃がんは塩分の過剰摂取やビタミン不足などが原因の場合もあります。

食塩の過剰摂取(塩物性食品)、ビタミンの摂取不足、熱い・辛いといった刺激物などの食生活と胃がんとの関わりが注目されています。日本人はみそやしょうゆを好むため、食塩を摂り過ぎる傾向にあります。

塩分濃度が高いと胃粘膜の障害や炎症を起こし、発がんを促進するものと考えられています。その他に、喫煙もたばこの中に含まれる有害物質が胃の粘膜を刺激し、胃がんの原因をつくると言われています。

胃がんはピロリ菌が原因の場合も

また、胃粘膜に生息する、ヘリコバクター・ピロリと呼ばれる細菌の感染が、胃がんの発生に関わっていることが示唆されています。日本人の40歳以上の70%がヘリコバクター・ピロリ菌に感染しているといわれ、胃炎や胃潰瘍の原因になることがわかっています。

しかしヘリコバクター・ピロリ菌に感染した人が必ず発症するわけではありませんが、胃がん予防のためには薬での除菌をすることもできます。

 

胃がんの症状

早期がん

 胃がんの早期発見には、がんの細胞が大きくなるまで長期にわたり、自覚症状がないことがほとんどで、症状が現れても、腹痛、胃部不快感、食欲不振、吐き気がするといった胃がんに特有な症状ではなく、ほかの胃腸の病気、慢性萎縮性胃炎や胃潰瘍などによってみられるものです。

近年、健康診断やがん検診などで胃の検査をして自覚症状がない非常に早期の胃がんでも発見されるケースが多くなってきました。

胃がんの疑われる症状がある場合は胃の検査を受けましょう。

 

進行がん

 がんが進行すると腹痛、腹部の不快感、食欲不振といった症状が強く現れ、常に感じられるようになり、また体重も次第に減少していきます。さらにがんが進行すると、腹部を胃の辺りに硬いしこり(潰瘍)を触れるようになったり腹部に水がたまる(腹水)、吐血、血便などの症状が現れるようになり痛みも激しくなり、このころには食欲不振がひどくなり全身の衰弱も目立つようになります。

 

胃がんの検査例

胃がんが疑われると、胃のX線検査や胃の内視鏡検査を行います。

胃がんの広がりを調べる検査として、胸部X線検査、腹部超音波検査、CT検査、注腸検査などがあるようです。

 

胃のX線検査

胃のX線検査

よく用いられている基本的な検査で、胃の異常の有無を調べるために行われます。胃の中でガスを発生させる発泡剤と造影剤(バリウム)を飲んで体の位置を変え、さまざまな角度からX線撮影を行い、粘膜の変化を判読します。

 

胃内視鏡検査

胃内視鏡検査

内視鏡を口や鼻から胃の中に送り込み、先端についている超小型カメラで胃の粘膜を直接観察し、がんが疑われる場所の広がりや深さを調べる検査です。またがんが疑われる場所の組織の一部を採ってがんの細胞の有無を顕微鏡で調べる病理検査を行い、がんの深さを詳しく調べるために超音波内視鏡が実施される場合もあります。

 

超音波内視鏡検査

内視鏡の先端についた超音波装置を用いて、胃病後の粘膜下の状態、胃壁そのものや胃壁の外の構造などを観察し胃がんがどのくらい進行しているか、胃壁の外のリンパ節が腫れていないかなどについての詳細な情報を得ることができるようです。

 

CT検査

CT検査

腹部や胸の中の異常を調べる検査です。治療前にがんの転移や周辺臓器への広がりを調べるために行われます。

 

 

 

注腸検査

肛門から造影剤と空気を注入して大腸の形をX線写真で確認する検査です。

胃のすぐ近くを通っている大腸がんに広がっていないか、腹膜転移がないかなどを調べます。

 

胃がんの治療

胃がんの治療

胃がんの治療は、がんを切り取る「外科療法」が基本的のようです。

手術方法は胃がんの発生した場所や広がりの程度や、ほかの臓器への転移の有無によって異なり、また病期や患者の状態に応じて選択されます。

 

胃の手術を受けて一番大きく変わるのは食生活です。胃を切除することにより「食物をいったん蓄えてから徐々に腸に送り出す」という胃本来の機能が失われます。そのためダイビング症候群(食物が一気に腸へ送られる)と呼ばれる症状が起こることがあるようです。

 

ダイビング症候群

食物が急に小腸に流れ込んで消化・吸収されるために、血糖値が急激に上昇して起こるとされ、食後30分以内に冷や汗、動悸、頻脈、倦怠感などの症状が現れます。血糖の急激な上昇を防ぐためには、1日の食事を5~6回に分けて少量ずつゆっくり食べるのがよいようです。

 

後期ダイビング症候群

血糖値が急激に上昇すると、今度はそれを下げるインシュリンというホルモンが膵臓から大量に分泌されます。そのため食後2・3時間には、血糖値が下がり過ぎて頭痛、発汗、頻脈、めまい、脱力感などがあらわれます。血糖値を上げるために、飴玉や氷砂糖を食べたり甘いジュースを飲んだりするとよいようです。

また、胃を切除することにより、鉄分やカルシウムの吸収が悪くなるため、貧血や骨粗鬆症が起こりやすくなります。そのため定期的に血液検査を行い、不足している場合は補うようにしましょう。