BUN(尿酸窒素)の上昇

腎臓の機能を調べ際に用いられる指標を指します。

抗がん剤の副作用により腎臓の機能がみるみる低下していき、「腎不全」を発症させます。

BUN(尿酸窒素)は、尿と一緒に排出させるものですが、腎機能が低下することによって排出されにくくなることによって、数値が上がる場合があります。

 

投薬等によって数値が落ち着く傾向にある時は、しばらく様子を見る等で済む場合がありますが、数値が落ち着かない、または慢性的に数値が高い場合は、人工透析などの処置をすることがあります。

 

心配な時や少しでも異変を感じた時には、担当医に相談してみましょう。

 

 

血小板が減少してしまう

抗がん剤によって骨髄が影響を受けるということは、当然その中で生成される血小板にも影響が及びます。

 

血小板は止血の際に働くものですので、怪我をした場合には出血が止まり難くなる場合があり、目に見える怪我は勿論ですが、内出血を伴う怪我をした場合は広範囲に跡が残る場合があります。

 

抗がん剤投与中の出血は怪我ばかりではなく、歯磨き中に歯茎からの出血から、抗がん剤の影響による目には見えない、内臓からの出血などもあります。

 

骨髄が抗がん剤の影響を受けている間は、赤血球や白血球、血小板等の造血作用はあまり望めませんので、血圧が乱高下するようなことは控えることが大切です。

例えば、寒暖差が大きい場所に行く事や、心拍数を急上昇させる激しい運動は、時として貧血を引き起こし、怪我のリスクを高めてしまいます。

 

出血が著しい場合は、輸血などで対処しましすが、繰り返し輸血を行うと輸血そのものに抗体ができてしまい、効果が期待出来なくなります。

出来るだけ輸血のお世話にならないよう、担当医と相談して、抗がん剤の量などを調整してもらうのも一つの方法です。

 

 

褥瘡(床ずれ)

褥瘡(床ずれ)は、長時間同じ姿勢のままベッドなどに寝ている状態で、接地部分の血流が妨げられている時間が長く続くとできるものです。

老人ホームなどでは、自分で寝返りが打てない場合、定期的に職員が体制を変えるはこのためです。

 

褥瘡(床ずれ)自体は、抗がん剤の副作用とは直接関係ありませんが、体力の減退などでベッドに横になる時間が多くなると、できるリスクが高まります。

特に免疫力の低下が著しい場合は、要注意です。

 

褥瘡(床ずれ)で警戒しなければならないのが「敗血症」です。

褥瘡(床ずれ)が進行すると炎症が起き、さらに進めば炎症部分が崩れ始め皮下組織が見え始めます。さらに進むと傷が深くなり組織が壊死、最後は骨が見える状態になります。この時、炎症を食い止めようと免疫機能が異常に働き、全身に影響が及びます。

その時体内では毒素が生成されそれが原因で「敗血症」になる場合があります。

 

ただえさえ、免疫力が低下している状態で「敗血症」などを引き起こせば、それ原因で最悪な事態が起こることも十分予想されます。

 

ベッドに横になる時間帯が多くなった場合は、真っ先に褥瘡(床ずれ)の対策を考えましょう。

最近は、床ずれ対策として空気の力で体を支えるエアー式のベッドがあります。

 

病院などの入院中に使用が可能ならば、使う事をお勧めします。また、家庭で療養する場合は、レンタルという方法もあります。

エアーベッドのレンタルは、老人の介護がメインですが、治療の目的でも使用可能な場合がありますので、地元の行政窓口や病院などに、まずは問い合わせてみましょう。

 

 

過剰反応(アナフィラキシーショック)

アナフィラキシーショックは、食べ物に含まれる成分などによって、じんましんやのどの痛み、嘔吐などから、重篤化すると意識の混濁などを発症するものですが、食べ物に限った事ではなく、抗がん剤などを含めた医薬品でも起きる場合があります。

 

特に危険を伴うのは呼吸器系で、投与後しばらくして発症する場合があるので、投与している最中や投与後は注意深く見守る必要があります。

 

アナフラキシーショックの多くは、皮膚などに目立つ発疹が見られ、嘔吐、意識の混濁というように順を追って現れますが、状況によって嘔吐と意識の混濁を同時に発症し、のちに発疹というように順番が逆の場合もあります。

 

併せて注意しなければならないのが、前回の投与では何も問題なかったから、次も大丈夫だろうという先入観です。

抗がん剤に限りませんが、その日のコンディションによっては効き方や時間は異なり、場合によっては過剰に反応してしまう場合もありますので注意が必要です。

 

 

心電図の異常

心電図は心臓の健康状態を見極める一般的な検査方法で、不整脈などの兆候を発見でる有効な方法ですが、抗がん剤を投与することによって不整脈が現れる場合があり、初期的なものから速やかな処置が必要な場合もあるようです。

 

抗がん剤を投与によっても心臓は少なからず影響を受け、ナトリウムやカリウム、カルシウムなどのイオンを抗がん剤が取り込んでしまうことによって起こるとされています。

 

また低カルシウム結晶のような、電解質異常によっても心臓に何らか影響を与える場合もあります。

 

ここで注意しなければならないのが、もともと心臓に疾患を持っている場合です。

抗がん剤の投与による心臓への影響がプラスされるリスクが大きくなりますので、担当医と十分相談しながら治療を勧めましょう。

 

 

空咳・咳嗽(がいそう)

「咳」をするという生理現象は、気管支や肺に混入した異物を排出させるために行われるものですが、いわゆる「空咳」が起こる場合は、呼吸器官に何らかの異常がある場合です。

 

抗がん剤の副作用でよって呼吸器官に障害が発生している場合も予想されますまで、自己判断はせずに速やかに医師の診断を受けましょう。

とりわけ抗がん剤の投与期間は、免疫力の低下が著しいので「間質性肺炎」の発症する兆候かもしれません。間質性肺炎は、進行すると肺の組織が硬くなり呼吸機能の低下を招くものです。

 

呼吸気管は、酸素を取り込む大切な部分ですので、少しの異常でも躊躇せずに医師に相談することです。