肝臓がんが怖いのは沈黙の臓器だから

肝臓がんとは?

肝臓がん

腹部の右上に位置し、成人で約1~1.5㎏と人間の内臓臓器の中で、最も大きい臓器です。肝臓に入る血管には、酸素を運ぶ「肝動脈」と栄養素を運ぶ「門脈」の2つの血管があります。それらの血管によってタンパク質や胆汁合成、脂質、糖質などの貯蔵とともに、さまざまな物質の解毒、排泄など、生命を維持するうえで重要な働きを行っています。

 

肝臓がんとは、肝臓に発生したがんの総称で「①原発性の肝臓から発生する肝臓がん」と「②転移性、ほかのがんから転移してきた肝臓がん」とに大別されます。①の原発生の肝臓がんには、肝細胞の働きを担っている細胞から発生する「①肝細胞がん」、肝臓の通り道である胆管の細胞から発生する「②胆管細胞がん」との2種類があります。

とくに成人における肝臓がんでは「②肝細胞がん」を指すことが多いのでここでは肝細胞がんを中心にお話しさせていいただきます。

 

肝臓がんの原因

肝臓がんの原因とは

肝臓がんは健康な肝臓から発生するのはまれで、肝細胞がんの原因の90%以上が肝炎ウイルス感染の結果によるものといわれています。

 

肝炎ウイルスは、A型、B型、C型、D型、E型の5種類があり、新たにG型、TT型の発見が報告されているようですが、肝臓がんの原因になるのは、主にB型、C型肝炎ウイルスで約10%、C型肝炎ウイルス80%。しめており、特にC型肝炎ウイルス感染後、慢性肝炎、肝硬変を経て10~20年後に肝臓がんを発症するのが典型的のようです。

 

また、アルコールの多飲によっても肝硬変から肝細胞がんの発症につながると考えられています。また、たばこに含まれる発がん性物質や食物中に含まれるアフラトキシン(かび毒の一種)という物質も肝臓がんの発症に関係しているといわれています。

 

肝臓がんの症状

肝臓がんの症状

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、がんが進行するまで症状が出にくいことが多く、がんを発症してもからだに現れるのは、肝硬変の症状が多いようです。

 

肝硬変とは、肝炎ウイルスによる肝細胞の破壊が進み、体全体が委縮した状態。そのため、代謝や解毒などの肝機能が低下し、食欲不振、全身の倦怠感などが現れてきます。

 

さらに肝機能の低下が進むと、血管やリンパ管から漏れ出した液体成分が腹水となり、手や顔、眼球の白目部分には黄疸がでてきます。

また、肝臓の血流が悪くなると、肝臓に送られるはずの血液が、静脈に大量に流れ込み、赤血球が破壊されるため、めまいや冷や汗、脱力感、頻脈などの症状がでることがあるようです。

 

また、慢性の肝疾患を合併してしない場合は、右上腹部が痛んだり、しこりを触れたりすることがあるようですが、気付いたときにはかなり進行していることが少なくないようです。

従って、肝臓がんの高危険群であるウイルス肝炎の人は、定期的に肝臓を検査することが重要のようです。

 

以上ご参考までに!