機能性表示食品の今後はどうなるのか

こんにちは。

店長の中島です。

さて本日は、先の「紅麹」を使用したサプリメントの一件で注目されるようになった「機能性表示食品」について、少しだけお話ししようと思います。

 

機能性表示食品が出来たわけ

消費者庁

消費者庁では、

  1. 機能性を表示することができる食品は、これまで国が個別に許可した特定保健用食品(トクホ)と国の規格基準に適合した栄養機能食品に限られていました。
  2. そこで、機能性を分かりやすく表示した商品の選択肢を増やし、消費者の皆さんがそうした商品の正しい情報を得て選択できるよう、平成27年4月に、新しく「機能性表示食品」制度がはじまりました。

と発表しています。

つまり分かりやすく言うと、一般消費者に対しての情報提供と選択枠の拡大が主な目的だったと言い、2015年の運用開始ですから2024年現在9年目になる意外と長い制度でもあります。

※消費者庁パンフレットより一部抜粋。

 

 

機能性表示食品の伸びが顕著な理由は

消費者庁「機能性表示食品って何?」より抜粋
消費者庁「機能性表示食品って何?」より抜粋

「特定保健用食品」に比べ「機能性表示食品」の伸びが顕著に増えた大きな理由は、申請から認可までの手続きが、特定保健用食品の認可と比べて安価でハードルが低いという側面があります。

 

特定保健用食品の認可は、科学的根拠に基づく膨大なデータが必要で、認可されるまでに億単位の費用が掛かることから、誰でも気軽に認可を申請できるというものではないのに対して、機能性表示食品は過去の文献を引用したデータと、行政が指定した成分が一製品あたり基準値程度含まれていれば認可が下り、その費用も特定保健用食品に比べて安価であることから、ハードルが低いために機能性表示食品の認可件数が多くなった背景があります。

ですが、一度認可が下りたからと言ってそれで終わりではなく、行政による抜き打ちチェックで基準を満たしていない場合、認可の取り消しが行われ、実際に取り消し処分を受けた業者もあります。

 

機能性表示食品の審査基準が変わるのは必須

機能性表示食品の審査基準は厳格化される

紅麹の一件で「機能性表示食品」に対する消費者の関心を集める結果となりましたし、これを機会に機能性表示食品の認可基準の再考やガイドラインの改定は間違いないと思います。

これまでのガイドラインでは、健康被害が発生した場合、情報が不十分であり製品との因果関係が不確定であっても報告することが望ましいとされていました。

つまり、消費者や医療従事者からの報告があっても、最終的には製造元の判断に任せるというものでしたが、今回の一件で報告が義務化されることになります。

 

機能性表示食品のデータベースによりますと、機能性表示食品にはこれまでおよそ8,200件届けられていますが、約2割の1,500件あまりが表示を撤回してます。製品そのものに問題がなくともリスクを避けるための危機管理が働いたものと思われます。

 

機能性表示食品業界の衰退が心配

機能性表示食品業界の衰退が心配

消費者庁が掲げた鳴物入りの「機能性表示食品」制度。業界ではこれまで表現できなかった文言を、認定されれば表示できるメリットと訴求効果は大きく、消費者も製品を選ぶ材料が増えるメリットも大きく、双方に一定の効果があったことは事実ですが、ガイドラインに甘さが見られのも事実です。

健康被害が発生したことは大変残念ですが、何より心配されるのが、機能性表示食品業界の衰退です。

製品そのものに問題がないにもかかわらず、申請基準の厳格化がなされ認定のハードルが上がること、撤回が続くのではないかと考えます。

 

自身の体に入るものですので安全が最優先がもちろんですが、そのバランスをどうとるのか消費者庁の動きに注目したいところです。

 

これからも健やかな毎日を。